「僕と一緒に保健体育を学びませんか?」
「…え?」
少しの静寂。
そしてその後に
「…はい、別に構いませんけど…。」
!?
マジ!?
やった!
なんだなんだ、あの子も俺に気があったのか…!
鼻の下を伸ばしながらそんなことを考えていると彼女が数冊の本を持って向かいに座った。
…。
……。
…なるほどな。
彼女が持ってきてくれたのはタバコ、飲酒、薬物関係、環境衛生活動の仕組みと働きなどという、私を含め皆様のご期待に応えるようなものではなかったことをここにお詫び申し上げます。ご容赦下さい。
…しかし流石は図書委員、数多の本を攻略しているからだろうか勉強のスピードが早い。
当然、逃げて来ただけの俺は読み始めて直ぐに眠りについてしまった。。。
…。
(ユサユサ)
揺すられる。
(ユサユサ)
ふと目を覚ますと図書委員の彼女がいた。
「…あの…昼休みが終わりましたよ」
「あぁ…ありがとう。」
時計を見るとさっきから18分経っている。
25分間の昼休みの終わりだ。
「本、せっかく持ってきてもらったのにごめんな。」
彼女は微笑んで
「…いいんです…私もそろそろ試験勉強を始めようかと思っていましたから」
「そうか、なら良かった。」
そうだ、彼女の名前を聞いておこう。
「俺、高橋。君は?」
「私…ですか?」
「うん」
「青木梓です…」
「青木さんていうんだ。またお世話になるかも知れないからその時はよろしく」
俺は教室に向かった。
ドンッ
「ふう」
借りて来た本の山を机の上に置く。正直ここにもってくるだけで一苦労だ。
家まで持っていくと思うと気が遠くなる……
「ちょっと、あんた馬鹿じゃないの?」
喧嘩はいつの間にか終わっていたらしく、隣の席の上原はそんな俺を見て冷ややかな視線を向けてきた。
正直、反論できない。
午後の授業も終わり、放課後になった。
さて、これからどうしたものだろう。
1,まっすぐ家に帰る
2,もう少し教室にいる
3,寄り道をして帰る