購買にでも行ってくるか…
「ちょっと、購買に行くんなら私の分も買ってきてくれる?
メロンパンと焼きそばパン、あと牛乳ね」
なんで上原の分まで買わなくちゃいかんのだ。
しかしこいつがかんしゃく起こすとまた厄介だ。買ってきてやるか。俺って大人だね。
「了解。でも金は先払いだぞ」
「うん、物分かりよくてよろしい。はい」
満足げにそう言うと俺に500円玉を手渡す。
「直樹、パン買いに行こーぜ」
智也たちに誘われて教室を後にする。
「お腹空いてんだから早くねー!」
黒山の人だかりを抜けてパンを買い、人混みを脱出する。
「あれ、お前パン多くねえか?」
「上原に頼まれたんだよ。てかお前に言われたくねえ。
いつものことだが何だよそのパンの数は。一人で食うのか?」
俺は上原の分と合わせて5個のパンを買ったが、智也は7個持っている。
「3つはおやつだよ。運動部は腹が減るんだ」
文化系のうえ幽霊部員の俺にはよく分からん。
「食うことも練習のうちだ。体作るのに食わなきゃいけねえんだよ」
自販機でドリンクを買って教室に戻る。